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絵置き場


アナタのヒトミ



以前から気になっていたカカシ先生の写輪眼。
本人が話してくれるまでは訊くまいと決めていたはずなのに、嫉妬は心の奥に秘めていたはずなのに。
知りたい、という気持ちを抑えられなくなっていた。
飲みに出かけた帰り道、酔いに任せたフリをして問う。

(いつ?)
(どうやって?)
(いったい誰から?)
(その人のこと…)
そんな気持ちを隠し、さり気なさを装いながら。



きっとカカシ先生もいつかは話そうと思ってくれていたのだろう。
少し沈黙した後ゆっくりと語ってくれた。

  この眼はね…

淡々とつむぎ出される言葉。
感情のない喋り方が反って重たく心に落ちてくる。
想い出の中の人はいつまでも美しいまま…
敵わない…、そんな気持ちを強く感じながら、すでに訊くのではなかったと後悔している。
反面、この人の苦しみを少しでも和らげることができるのならば何だってしてしまうだろうと思う。
今にも話を遮って抱締めたくなる。
愛しいんだ、アナタが。焦がれるほどに。

「辛いことを思い出させてしまいました」と言ったおれはいったいどんな顔をしていたのだろう。
「いえ」と答えてカカシ先生は小さく笑った。





続ける言葉が見つからなくて黙って歩いているといくらかして急にカカシ先生が声を上げた。
「イルカ先生、オレもアナタに訊いてみたいことがあるんですが〜」
何か子供が悪戯を思いついた時のような声で。
「なんですか?」
先に悪いことをしたと感じているのでどんなことにでも答えよう、という気になっている。
「…アナタの眼のことです」
「おれの眼、ですか?」
おれの眼になにがあるというのだろう。自分でもわからず自身の瞳を指差しながら訊き返した。
うん、うん、と大きく頷くとカカシ先生はずい、とおれの前に立ちはだかる。
「アナタの眼にも秘密があるでしょう。見せてください!」
すでにおれの眼を覗き込もうとしているカカシ先生に慌てながら
「おれの眼に秘密なんてないですよ!ホントです!」と答える。
どう考えたっておれの眼は普通の眼だ。
…それに、カカシ先生にマジマジと見つめられたら恥ずかしいじゃねぇか、と思う。
だけどカカシ先生は一歩も引く様子はなく「いんや、あります!」と言うとおれの顔を両の手のひらで挟んでしまった。
もう、こうなったら動くこともできない。
覚悟を決めてカカシ先生の瞳をまっすぐ見つめ返す。
肺と心臓が緊張で爆発しそうだ。
おれの高鳴る鼓動をカカシ先生は感じているだろうか…?


じーーーーっとおれの眼を覗き込んでいたカカシ先生が急ににっこり微笑んだかと思うとくちびるが重なっていた。
そのままおれの肩口に顔をうずめ首に抱きつく。
いつもの冗談めかした抱きつき方とは明らかに違っていた。
「カカシ先生…」
我知らず名を呼んできつく抱締める。
アナタにおれの想いが届くように、きつく。きつく。

「カカシ先生、おれ…」
先のことを謝りたいと思うのにうまく言葉が出てこない。
「いいの、いいの。……ありがとね」
小さな声でカカシ先生が言った。


ありがとうを言わなきゃいけないのは自分の方だけど。
言葉にするかわりいっそうきつくかの人を抱締めた。
カカシ先生の思い出のに大切な誰かがいたとしてもこの想いは止められないのだと気づかされながら…







おれの罪を許してくれるカカシ先生の優しい嘘。
「おれの眼に秘密なんてなかったでしょう?」
後になって訊いてみた。
カカシ先生は決まって「いーえ、確かにありました」と答える。
けれど、それが何だったかは教えてくれない。

…鏡を見る度に謎の深まる日々が続いている。


おわり




■■こめんと
非常にわかりにくい話でスミマセン;
拙宅のカカシ先生はヘタレなことが多いので
今回はオトナカカシ先生を目指してみたつもりです
そしてチュウ描写(?)に初挑戦!
一応、カカシ先生がイルカ先生の瞳の中に見つけたものがある設定なのですが
それはまた別バージョンで書けたら書いてみたいな、と。。。






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