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スケーターズワルツ


「うー、さぶい」
スケートリンクに着いてからのカカシは寒い、寒いと震えてばかりでちっとも動こうとしない。
そんなカカシの前でイルカはスケート靴を履いたまま腕組みをして立っている。
「あのねぇ、『スケートしたい』なんて言い出したのはカカシ先生、アナタなんですからね」


冬季オリンピックを見てからカカシは「オレも氷上の妖精になりた〜い」などと駄々をこねてイルカをスケートに誘っていたのだ。
テレビの画面に見入って目を輝かすカカシに、イルカもたまにはいいかもな、と思い「では、アカデミーが休みの日に一緒に行きましょう」と返事をしたのだった。
「わーっ! イルカ先生、ホント?! 約束でーすよ!」とキラキラした笑顔を向けるカカシにイルカも「ええ、約束です」と笑って返事をした。
カカシだったら本当に妖精のごとく、オリンピック選手顔負けの滑りを見せてくれるかもしれない、という期待もイルカの胸にはあった。
実のところ、スケートを楽しみにしていたのはイルカの方だったのかもしれない。

それなのに。
カカシは、やれここのスケートリンクには屋根がないだの、寒くて動けないだのと言ってちっとも滑ろうとしない。
木の葉の里のスケートリンクに屋根がないことなんて子供だって知っている。
こんな小さな里にオリンピック会場のような大掛かりなドームなどあるわけがないだろう。
ここ、木の葉のスケートリンクは里のはずれにある浅い溜池を凍らせただけのものだった。


「カカシ先生、寒いのはじっとしていて体を動かさないからですよ、ほら」
密かにカカシの滑りに期待しているイルカはカカシをリンクに連れ出そうとなだめたりすかしたり、怒ったふりをみせたりと気をもんでいる。
それが普段ならイルカが手を差し出さなくても飛びついてくるはずのカカシがじっとリンクの脇にある岩に座ったまま動こうとしない。
これはもう、手立てがないとイルカは諦めることにした。
内心がっかりしたが、常とはどこか違うカカシに少し困惑もしている。
なんとなくそっとしておいた方がいいような気がしてイルカはひとりでリンクを一回り滑ってくることにした。


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